・オカトラノオ・草連玉・クララ・慈悲心鳥・オオマツヨイグサ

私の歳時記

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梅雨2

オカトラノオ
 オカのトラノオと呼ばれる野の花です。山野の湿地や小川沿い、溝沿いなどにふつうに咲いています。いっせいに咲いても、地味ですからそれほど目立ちません。サクラソウ科。
 花を拡大してみました。ひとつ一つ見れば、可憐な花です。
  >>ヌマトラノオ>>

 
   ヌマトラノオ

虎尾草や日の通りみち子が通る(磯貝碧蹄館)
  *虎尾草(とらのお)

草連玉(クサレダマ)
 オカトラノオと同じような場所で、同じ時季に咲きます。サクラソウ科。
 クサレダマとは、ひどい名に見えますが、「くさ・れだま」(草連玉)で、花がマメ科のレダマに似ていることに由来しているのです。レダマとは地中海沿岸原産の低木とか。

クララ
 その名は外国語かとおもわれる洒落た感じですが、由来は、その根汁をなめると目が眩むほど苦いという「眩草(くららくさ)」の略だそうです。
 根を乾燥したものを苦参(くじん)といい、漢方では解熱、消炎剤として処方されるそうです。アルカロイドを含むため毒にもなるとか。
 マメ科の蝶形花(ちょうけいか)で、面白い花ですが、地味な色合いです。日当たりのいい道ばた、草むらに生えます。
 別名、きつねのささげ・くさえんじゅ・まとりくさ。
 
  ↑花に蜂がもぐりこんでいました。
 俳句では「苦参」と書いて「くらら」と読み、「くらら引く」とともに秋の季語です。>>クララの実>>
 オカトラノオ、クララと同時期、同じような場所に咲きます。

魚くはず吝かにしてくらら引く(松瀬青々)
  *「吝か」やぶさか(「ためらう」こと)

慈悲心鳥
 山の中腹あたり、道から少し入った森の中で休んでいると、「ジューイッチ、ジューイッチ」と高らかに鳥が啼きます。
 >>じゅういち>>(十一)またの名は「慈悲心鳥」です。これまた、声はすれども姿は見えぬ鳥です。
 ホトトギス、ツツドリ、カッコウとともに、夏を代表するカッコウ科の鳥です。
 1,000m級の高い山にしか啼かないとも言われますが、そこは高くても700m程度の山で啼いたのです。

慈悲心鳥おのが木魂に隠れけり(前田普羅)

十一の遠のく十も一の音も(皆吉爽雨)

森の中
 そのときの森の中に花が終わったアマドコロが群生していました。
 ついにこれまでナルコユリと確信できるものに出会っていません。さらにミヤマナルコユリという種もあると知りました。
 ものの本によると、専門家でもアマドコロとナルコユリを判別するのは難しい、とあります。
 この群生は、茎にはっきりした稜(りょう)があり、ナルコユリではないことがわかりました。しかし、チゴユリ、笹百合などにも茎に稜があります。
 詳しくは>>アマドコロ「野の花コレ」へ>>

 アマドコロ「歳時記」の関連頁は>>ここから>>

オオマツヨイグサ
 オオマツヨイグサ(大待宵草)が雨に打たれて咲いています。マツヨイグサには、他にコマツヨイ・・、メマツヨイ・・、単にマツヨイ・・があるようですが、いずれも南北アメリカ原産。
 このオオマツヨイ草は、アメリカ原産のものをヨーロッパで園芸品種化したものといいます。別名・月見草。
 待宵草は、いちおう夏の季語。

 なお、「宵待草」の歌詞は、竹下夢二が間違えた、と言われています。しかし、これは白い花をつけるまったく別の花とも言われます。
 ♪「待てど暮らせど来ぬ人を宵待草のやるせなさ」♪

月見草はらりと地球うらがえる(三橋鷹女)

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