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つくし・春雪・老の春・よもぎ・梅・梅が香・[付記/外来種・帰化植物・侵入種などのこと]

私の歳時記 No.04

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「・・歳時記」索引

早春の野



雪に土筆

 瞬く間に蕗の薹(ふきのとう)が長けて、花を咲かせました。

 つづいて、土筆(つくし)も出ました。
 つくしは別名、「つくづくし」、「つくしんぼ」などあります。また「土筆野」「土筆摘む」も季語です。

まま事の飯もおさいも土筆かな(星野立子)

 そこに遅い春の雪が降ったのでした。でも「雪に土筆」という面白い図を、はじめて意識して見ることができました。

 この冬は、ことのほかの豪雪で、待ちに待った春がいよいよ本格的にやってきた・・と、喜んでいたのですから、この春雪(しゅんせつ)は骨身にこたえる気がしました。

生くることやうやく楽し老の春(富安風生)


蓬(よもぎ

 写真上から4枚目に、長けた土筆にスイバと蓬(よもぎ)の若芽が写っています。いずれも食べられる野草です。

蓬萌ゆ憶良旅人に亦吾に(竹下しづの女)
  *よもぎ・もゆ・おくら・たびとに・また・われに

烈風を身にひびかせて蓬摘む(加藤かけい)




 梅のことを「春告草」(はるつげぐさ)とも呼ぶのだそうです。ほかにも「匂草」などの別名があります。
 桜とともにバラ科の落葉樹。枝にはバラ科の特徴のするどい棘があります。
 梅の種類は多いですが、白梅を野梅(やばい)と言い、原種が白梅と見るようです。

 梅は、中国で2,500年前から栽培され、日本には奈良時代、初期の遣唐使が薬用として持ち帰ったのがはじめと言われています(西暦700年ころ)。
 とくに果実は食用と薬用に珍重されてきました。
  中国音 メイ
  朝鮮語 マイ
に「ウメ」の語源があるとされます。

梅一輪一輪ほどの暖かさ(嵐雪)

白梅に明くる夜ばかりとなりにけり(蕪村)


梅が香

梅が香にのっと日の出る山路かな(芭蕉)
  *梅には「むめ」とルビがふられます。
梅が香やどなたが来ても欠茶碗(一茶)
  *欠茶碗=かけぢゃわん

 これらは(特定はできませんが)、桜の花の姿に対して、梅の香りをこそ愛でるという句作態度を決定づけたものと言えそうです。わけても芭蕉の句は、印象の強い傑作とされています。
[付記]外来種・帰化植物・侵入種などのこと

梅と桜
 桜はニホン列島の固有種とされ今日の俳句では「花」は桜として疑いません。しかし、万葉時代など古くは梅こそが「花」だったのです。「花といえば桜」は平安中期以降と言われています。
 また、近年まで梅は欧米にはなく、東アジア特有の花とも言われていますが、どこまで確認されたことかわかりません。
 なお、外来種、帰化植物、侵入生物…などと安易なことは言うべきでもないのですが、不可解なことは「学者・研究者」の頭の中で発生します。

 「帰化」植物と説明のある図鑑類がほとんどですが、いったい「帰化」植物を除いたらあとに何が残るのでしょうか。牛蒡と桜?
 しかし、少なくともかつての私は、何かといえば「帰化植物」と教えられたため、「帰化以外のものが多い」=「帰化」がマイナーだと勘違いしていました。事実はまったく逆です。
 その勘違いは、次のような「すりこみ」にも一因があります。

自然「科学」ぶるニッポン・イデオロギー
 最近、ジュニア向けの新書を読みはじめていたら、はじめの方でいきなり
〈日本人に生まれてよかった、なんてあらためて思ったりして…〉
と書いてあります。
「おいおい、なにナショナリズムやってんだよぉ!」
と、私などは反発します。しかし、子どもたちはなかなか本に書いてあることを疑えないでしょう。

 その書名は「草花のふしぎ世界探検」(ピッキオ編著・岩○書店)というもので、なんだ、この人(たち)は、草花の世界が「日本人」より小さく見えてるのかあ!などと感心しました。いや、あきれました。言うまでもありませんが、草花はニホンにだけあるわけではないのです。
 たぶん頭のメガネのかけまちがいでしょう。
 こういうささやかな国家主義・民族主義の「すりこみ」こそ、自然「科学」は社会「科学」にまさる社会的な働きをするという側面です。
 鼻白みながら、それでも草花のことは面白いので読んでいます。

 ⇒<老い>冨安風生の句はこちらへ

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