・三光鳥・マロウ・トンボソウ・チダケサシ・ヨウシュヤマゴボウ・イタチハギ・にぃにぃ蝉

私の歳時記

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梅雨の山野(梅雨5)

梅雨の山野
 梅雨がなかなか明けません。左の写真は、雨雲で阿佐山が見えていないものです。
 高温多湿の日がつづき、バテ気味です。しかし、自然は時々刻々変化しつづけます。


三光鳥
 暗い林の中に入ると、小鳥たちがしきりに啼きます。
 中に三光鳥の声が…
 …口笛で誘うと、近くに小さな鳥が来ました。木々に隠れる姿の背中が、一瞬、赤く見えました。三光鳥の雌です。
 いやあ、うれしかったですね。汗だくになりながらでも、こういう自己流リハビリの至福の瞬間です。
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マロウの花
 ハーブのマロウの花に、珍しい模様のカミキリムシが止まっていました。
 マロウはアオイ科のゼニアオイ属。
 花びらに熱湯をそそいで、レモン汁を加えると瞬く間にピンクのあざやかな色に変わり、やがてシルバー色へと変わります。これをサプライズド・ティーとして楽しみます。


とんぼそう(蜻蛉草)
 気候のためもあって、昼間も薄暗い山の林下に、トンボソウが咲いていました。ラン科。
 きょ(距)が下向きに突き出しており、その形をトンボにみたてた名といわれます。ちょっと写真がうまくとれませんでした。
 私には、とても珍しいラン科植物でした。
 谷間の小さな流れが作る湿地に咲いています。梅雨の真っ只中、花も終わりを迎えています。
 トンボソウには、他にコバノトンボソウ(小葉・・)とオオバノトンボソウ(大葉・・)もあるそうです。
 
 ↑トンボに見えますか?


チダケサシ
 トンボソウが咲いている林の入り口付近に、チダケサシが咲いていました。
 こちらは咲きはじめです。ユキノシタ科。
 信州では、茸の「チダケ(乳茸)=ちちだけ」を刺して持ち帰るところに、その名は由来するのだそうです。
 紅色のものもあるようです。


ヨウシュヤマゴボウ
 北アメリカ原産の有毒植物。ヤマゴボウ科。
 秋には、いかにも毒々しい黒紫色の実をみのらせます。
 いまでは、こんなところまで、と思うほど各地に繁殖しています。


イタチハギ
 イタチハギは北米・メキシコ原産の落葉低木で、マメ科イタチハギ属。
 あるwebページは、

 <マメ科の窒素固定能力に着目され、治山回復や工事で発生した法面(のりめん)などの緑化に植栽されている。法面の樹林化が奨励され一時流行したが、その後郷土種の利用が奨励されたこともあって、最近はやや少なくなったように思われる。高さ数mに生長する。羽状複葉であり、小葉は5〜10対。5月の終わり頃から6月にかけ、暗紫色の花序を形成するが、遠目にはほとんど黒褐色にみえることから、クロバナエンジュの別名もある。>

と、紹介しています。
 あ、それで、高速道路沿いにあるんですね。ただし、これも法面のさらに下、次には横に広がっていきつつあります。>>イタチハギの豆果はこちら>>
 また「郷土種」とは、どうも同じマメ科の「エニシダ」を意味するのではないかと思います。草木と政治の深〜い関係。


にぃにぃぜみ
 7月はじめから半ば過ぎたいま、ニィニィゼミとひぐらし(蜩)が鳴いています。ある夜、一匹が部屋に飛び込んできました。夏の風物詩です。
 外では網を張る蜘蛛はじめ危険がいっぱい。一夜、保護して翌朝放ちました。

 
  にぃにぃぜみ

一瞬の梅雨ひぐらしや遠く疾く(及川貞)
 *疾(と)く

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