・春の林の中で・シュンラン・ショウジョウバカマ
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■シュンラン
春蘭や雨をふくみてうすみどり(杉田久女) シュンランに会いに 芽吹き時の林の中に、春蘭(シュンラン)は、ひっそりと頭をもたげています。緑に萌えだした下草の中で、どちらかというと地味な色合い、でも面白い形がとてもいいのです。 もちろんラン科。 私は、子どもの頃からシュンランのこの色と形が好きでした。山菜取りに入った山で、この花を見つけるとうれしくなったものです。 杉林 ここはよく手が入った杉林です。落ちた杉の葉がふっくらつもっています。 昔は、この杉の葉は、風呂やカマドの焚き付けになくてはならないものでした。ところが、いまや誰一人これを拾う人とてありません。灯油、ガス、電気などと利用するエネルギーが変わり、暮らしも一変しました。 林の中の木漏れ日に 林には、木漏れ日が差し込むほどで、その正午前の木漏れ日が、花たちにぼんやりしたスポットライトをあてています。 杉林の中には、シュンランとショウジョウバカマ、スミレが点々と咲いていました。 中で、シュンランの株はなかなか見つからないほどわずかしかありません。 シュンランは、北海道から九州までの山地や丘陵地に生えるとされている常緑の多年草。 花と若い花茎は食用、根は薬用とものの本にはありますが、とって食べるほど個体数は多くありません。また、普通は薬草の図鑑にもありません。 もっぱら、現地で見て楽しめばいいと思います。 「中国春蘭」は、種が異なり、香りが強いそうですが、このシュンランにはほとんど香りはありません。 別名ほくろ 別名の「ほくろ」とは、唇弁の斑点によると言います。 これは、唇弁の奥のほうにあるので、覗き込まないと見えません。 |
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■ショウジョウバカマ
ショウジョウバカマ 左側写真の1枚目。 春蘭の手前にショウジョウバカマが咲いていました。 同じ林に、数10株が点々と咲いています。 猩猩の袴 名の由来は、花の色から猩猩(しょうじょう=オランウータンに似ていますが、むしろ狒狒を連想します=中国の想像上の動物=その毛が長く赤い、という)、根生葉のかたちから袴(はかま)を連想したもののようです。ユリ科。 なお、「猩猩」は大酒飲みの意味もあるようです。 さまざまな色と形 同じ林の中でも、紅色から白に近いものまでさまざまな色を見せています。おそらく日当たりがわるいので、ショウジョウの顔の色のような濃い紅色のものはありません。 株は、一本しか花を咲かせないものから十本近く花があるものまでいろいろ。 早く咲いたらしい株には、たぶん、あの雪をくぐりぬけたのでしょう、赤茶色や土色に近いものがありました。 いちばん下に、花が終わったショウジョウバカマの写真を追加しました。 |
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↑約1ヶ月後、初夏、実をつけたショウジョウバカマ