残雪・雪残る・東風・白木蓮・花々・たんぽぽ・きんぽうげ・清明・穀雨

私の歳時記 No.06 a

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東風吹く



残雪

 強い東風(こち)が吹いた日、阿佐山の残雪が光りました。
「雪残る」や「斑雪(はだれ)」とも詠まれます。
 この阿佐山には、遅い年では4月末から5月はじめまで残雪が見られます。(写真上2枚 2006.4.19撮影)

雪残る頂一つ国境(子規)

 田んぼの牧草が風に波打ってそよいでいます。
 西風と東風とがほとんど交互に吹きぬいていく東西に長い圃場群。「はらだ(墾田)」と呼ばれてきました。
 江川の最上流、可愛川(えのかわ)が、永い時をかけて、流れを変えながら削りだした平地です。


東風(こち)

 涅槃西風(ねはんにし*前のページ)が、冷たく吹き、黄砂を降らせた次に、この春いちばん暖かな東風が吹きました。うっかりすると帽子を飛ばされる強い風。誘われるように散歩しました。

東風吹くや耳現るゝうなゐ髪(杉田久女)


花々が咲く

 写真左列の上から、白木蓮(はくもくれん)と桜と梅が一斉に咲いていました。いずれも盛りを過ぎた感じです。
 次は連翹(れんぎょう)です。
 そして、辛夷(こぶし)の残り花。
 あちこちの庭や土手に雪柳が淡雪のように咲いています。

梅も菜も連翹も桃も木蓮も(しぐれ愚作)
  *うめも・なも・れんぎょうも・ももも・もくれんも

 日当たりのいい土手には、蒲公英(たんぽぽ)や金鳳花(きんぽうげ)が眩しいほどのあざやかな色を見せています。
 この蒲公英もセイヨウタンポポです。花の下にある総包(そうほう)がしろっぽく開くのがセイヨウタンポポ。カンサイタンポポなど在来種は総包がひらきません。

たんぽゝと小声にいひて見て一人(星野立子)

あるけばきんぽうげすわればきんぽうげ山頭火


清明から穀雨へ

 季節は、二十四節気のうち、清明(2006は4月5日)から、
穀雨(2006は4月20日)へと移ります。

<清明(せいめい)は、万物が発生し、清く明るくなる頃。>
<穀雨(こくう)は、雨が穀物の発芽をうながす時期。>

 という意味です。《詳しくは、二十四節気の各種HPを・・》
 次は、もう立夏となります。
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*[参考]東西南北に吹く季節の「風の名」

東風(こち)春。・強東風・朝東風・夕東風など
○西風(にし)春。・涅槃西風(ねはんにし)・涅槃吹風(ねはんぶき)
○南風(はえ)夏。・「みなみ」「なんぷう」とも読む・黒南風・白南風など
○北風(きた)冬。・「きたかぜ」「寒風(かんぷう)」
○秋風はとくに方向を言わない。野分は台風。

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