・啓蟄・おうれんの花・スプリングエフェメラル・春の雪・クロッカス

私の歳時記 No.02

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「・・歳時記」索引

啓蟄(けいちつ)



啓蟄

 2006年3月6日、啓蟄。
 啓蟄とは、冬眠していた虫が這い出すという時期。24節気の一つです。
 写真は、庭に咲いた黄連(オウレン)です。よく見ると1本の花茎に小さな蜘蛛がとまっていました。
 この冬は、豪雪で寒さがつづいています。それでも、いよいよ虫たちは動き始めたようです。

啓蟄を銜えて雀飛びにけり(川端茅舎)*[銜(くわ)えて]


おうれんの花

 庭の片隅で、早春いちばんに、こんな小さな花をつけます。
 おうれんは、薬草として有名です。貝原益軒の『大和本草』に「日本の黄連性よし、故に中華、朝鮮にも日本より多く渡る」と書かれているといいます。健胃と整腸の薬とか。キンポーゲ科。
 オウレンは木陰に自生する常緑の多年草(宿根草)ですが、この雪が多い土地でもこのように株を増やします。
 「黄連」が漢方薬として、その根茎を調整したものの名です。
 その名のとおり黄色の染料ともされるようです。
 花のあと、実をつけ、条件が適した場所では繁殖します。


スプリング・エフェメラル spring ephemeral

 春、短命な花を咲かせて「消える」ものを、スプリング・エフェメラル spring ephemeral 「春の妖精」または「早春期植物」と呼んで楽しむのです。代表的なものに、アズマイチゲ、福寿草、節分草、アマナなどがあるそうです。
 しばらく、スプリング・エフェメラルを楽しめそうです。


春の雪

 3月半ば、約30pの積雪とー10℃という寒波にみまわれました。(左の写真は雪に被われた梅の木)
 オウレンの花は、最初に積もった雪におおわれて、いったん姿を隠しました。
 春の雪が真冬並みの寒波から花を守り、すぐに消えたあとふたたび小さな花をあらわしました。花びらが半透明になって、それが、スプリング・エフェメラル特有の美しさを際立たせたようです。

 山間の雪が多いこの地では、まだ、早春の花もわずかしか咲いていません。その一つが、クロッカス(白花)。これも咲いた後、雪に覆われました。(左写真いちばん下)

啓蟄や米軍飛行機高く飛ぶ(時雨)

(以上3/19 追記3/25)
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[付記]
オウレンの葉と実

 写真下から2枚目が、今の時季の葉。雪の下から出て、緑を回復していきます。花が結実しています。

 下が、昨2005年8月末、実がはじけたあとのサヤ。

  

 オウレンは、これからも折に触れて、葉や実の様子なども紹介するつもりです。(2006.3/19)



 
  山すそに自生するオウレン。
    若葉と実(4/28.2006)

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