・雪 ・おお雪 ・豪雪 ・雪あれこれ・雪解け

私の歳時記 No.35

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「・・歳時記」索引



雪月花

降る雪や明治は遠くなりにけり(中村草田男)

 雪月花というように雪は「花鳥風月」と並び称されるほど代表的な季題です。風花(かざはな)、小雪、深雪、細雪、粉雪、牡丹雪あるいは風雪…など雪にかんする言葉は多様で、詩的情緒ゆたかと言われます。

 そこで、雪をめぐる一茶の俳句を紹介しながら見ていきたいと思います。


大雪
(おおゆき)


 初雪が大雪となった2005年12月。
 各地で、12月としては記録ずくめの積雪になりました。

 この地方では
  八幡 160cm以上
  高野 150cm以上
積もったといいます。(12/22午後5時)

 この地域では、100cm前後(標高や地形によって大きな差がある)と、1963年(昭和38)1〜2月のいわゆる「三八豪雪」以来、有数の大雪です。
 そのとき、八幡は4bを越える積雪で「陸の孤島」となり、この地方全体が、高度成長時代と重なって人口流出、過疎化が本格化するきっかけともなったのでした。この地域でも2bを越える積雪だったのではないでしょうか。


これがまあつひの栖か雪五尺(一茶)*「栖」すみか

 一茶の代表作の一つです。
 五尺は約1.5mですから、奥信濃(現在・長野県信濃町柏原)の雪深さが偲ばれます。



雪あれこれ

心からしなのの雪に降られけり(一茶)

うら壁やしがみ付たる貧乏雪(一茶)

 雪は、珍しいぐらいがいいのですが、雪国ではうんざりするほどの雪に悩まされます。「心から…降られ・・」とは一茶らしい面白い表現です。吹雪で吹き込んだ雪が壁の裏側にしがみついているのを「貧乏雪」と詠むのもさすがです。

むまそうな雪がふうはりふはり哉(一茶)

 「うまそうな雪」が降る、と言うのです。ふうわりふわりと降るのは牡丹雪です。


ほちほちと雪にくるまる在所哉(一茶)

 「くるまる」は「包まる」です。雪に包まれて、村全体がほちほち丸みを帯びている。一茶の風景です。


雪解け

 雪は必ず解けるもの・・・とくに西国の雪など北陸などとは比較にならないかもしれません。
 しかし、異常気象というのは、「必ず」が通用しないほどのことなのです。


雪とけて村いっぱいの子ども哉(一茶)

 いかに子どもは雪が好きとはいえ、寒くてながい冬が終わり春が来るのは待ち遠しいものです。

 いまや少子高齢社会に加えて深刻な過疎。とてもこんな情景は見ることができません。
 それどころか、今年(2005)ついに日本社会は(予想より1年早く)人口減少の時代に入ったと報じられました。
 地域格差を含めば、過疎の地域は人口減が激しく、村に子どもの姿はまばらです。

 写真の雪だるまは、雪遊びがしたくて日本海側の街から来た子どもの置き土産。なぜか、表情がその子たちに似ています。

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冬至

 冬至は12月22日。
 12月24日、クリスマス・イヴは雪の中でした。
 12月25日は、蕪村忌です。

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