・野分(のわき)野わけ ・黒あげは ・糸トンボ ・蜘蛛(くも) ・苅田

私の歳時記No.19

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「・・歳時記」索引

2005 野分(のわき・のわけ)


野分過ぐ[台風一過の翌日、まだ、小雨が残りました]

台風の季節

野分

・野分(のわき・のわけ)とは、秋の嵐、つまり台風の別名です。
(ただし、俳句の季語では別にする場合があります。)
・沖縄から北海道まで、台風は大きな被害をもたらします。

 鶏頭の皆倒れたる野分かな 正岡子規

 颱風の雲しんしんと月をつつむ  大野林火

・昔から、台風がいちばんよく来る時として二百十日と呼び習わしてきました。二百十日とは、立春から数えて210日目の日です。今年(2005)は9月1日でした。

・強い勢力の台風14号(sep.2005)は、風よりも雨による被害をもたらして北上しました。
・1週間ほど前、アメリカに巨大ハリケーン「カトリーナ」が襲い、ニューオリンズなどに壊滅的な被害が出ています。
・背景に、地球温暖化がからみ、温暖化対策の国際協定を批准していないアメリカが国際的な支援を受けることになったことは皮肉です。

・2日後、やっと晴れて、空気が澄みました。台風前日、大急ぎで稲刈りが済んだ苅田にまだ水が見えます。(上段写真、右から2枚)


黒あげは

・台風の過ぎた翌日、黒あげはが花にとまった。
・みれば、片方の翅が破れている。たかだかと飛ぶ姿は勢いがよく破れ翅とは思えない。しばらく、遠くの木槿とこちらの花を行きつ戻りつしていた。

・蝶は、本来春の季語。ただ、初蝶、夏の蝶、秋の蝶、凍蝶など四季を詠みます。

 高々と蝶こゆる谷の深さかな 原 石鼎

・この句などは夏の蝶を思わせます。

 


蜻蛉(とんぼ)

・しずかに、動かないでいたら、薄い瑠璃(るり)色の糸蜻蛉(とんぼ)が、交尾中の姿を見せました。

 とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな 中村汀女

・トンボはニホンに200種以上いるといわれ、鬼やんま、シオカラトンボ、あきつ、アキアカネなどかおなじみです。
・「やまと」を「あきつしま」と呼ぶのは「あきつ」から来ています。


蜘蛛(くも)

・くもはニホン・世界に何種類いるのでしょうか。
・写真は「コガネグモ」。身体が2cm近い大物。
・蜘蛛は節足動物で、8本の足を持っています。

・古代から蜘蛛は「よろこぶ」瑞兆、たとえば、蜘蛛が下がるとお客さんがあるなど。また、土蜘蛛など土の霊としました。スパイダーマンも「いい人」です。これらはすべてアニミズム、原始・古代信仰の名残り。

・台風一過、蜘蛛はちゃんと新しい巣を張っていました。

 蜘蛛夜々に肥えゆき月にまたがりぬ 加藤楸邨


丘、澄む

・2日後、ようやく空気が澄んだのですが、暑さはぶりかえしました。

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