・秋の七草 (・はぎ・すすき・くず・なでしこ・おみなえし・ふじばかま・ききょう)

私の歳時記

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秋の七草



秋の七草

 秋の七草は、「万葉集」山上憶良の次の歌をもとにして数えています。

萩の花・尾花・葛花・撫子の花・女郎花・藤袴・桔梗

 これを順に読み下すと(写真上から順)、

 @はぎのはな
 Aおばな
 Bくずばな
 Cなでしこのはな
 Dおみなえし
 Eふじばかま
 Fききょう(なお、原歌では桔梗が「朝顔の花」)

となります。
 いずれも、かつて秋の野にはありふれた花々でした。


はぎの花
 今も山すそにしっかり残っているのが萩です。この地域では8月から10月まで咲き継ぎます。


おばな=すすき・花薄・すすきばな・芒
 「枯れすすき」で有名な茅の穂です。すすき(薄)を見たことがないという人はいないのではないでしょうか。
 

くずの花
 これも山すそにはびこっています。マメ科蔓性植物のいわば代表的なものです。
 9月には花が終わり、大豆に似た豆のさやがぶらさがっています。


なでしこ
 カワラ・ナデシコとも。かつての戦時下、「銃後の婦人」を、ヤマトナデシコと呼びました。西洋石竹=カーネーションに対抗したといわれています。自然を国家意識に結び付けない方がいいですね。


おみなえし
 漢字は「女郎花」です。こういう名や漢字はだれがつけたのでしょうか。そのいわれは言わぬが花。


ふじばかま
 藤袴。最近めっきり少なくなったと思います。あちこち探しました。あるところにはあったのでホッとしました。


[余談] ひよどり草・おとこえし(男郎花)
 藤袴が少なくなったのに、よく似たひよどり草、男郎花は多いと思います。
 フジバカマとヒヨドリバナ、ヨツバヒヨドリ、サワヒヨドリにオトコエシを加えた一群がよく似ており、初心者にはワケが分からなくなります。
 フジバカマは乾燥した根茎がいい香りをもつことがよく知られています。


ききょう
 桔梗。近年すっかり園芸品種がはびこり、山の中にも白桔梗が咲いていました。
 この地方では、8月はじめには咲き始め、9月まで、次々に花をつけます。株によってはもう花は終わり実をつけています。きちこう(桔梗)とも。
 
  白桔梗(2005.9.11撮影)

万葉集の桔梗と朝顔
 万葉集、山上憶良では原歌「朝顔の花」としているものを「きちこう」と読み直しているわけです。


みんな草花です
 秋の七草は、このようにすべて草花です。「秋の名草」とも。
 新年の「七種・ななくさ」は粥にして食べます。「春の七草」とも。
 
 朝顔もちっちゃい花です。

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