・せみ(蝉)1 ・蝉の種類 ・うつせみ(空蝉)

私の歳時記

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2005 盛夏


せみ(1)

▲・早朝の山里 ・木々の蝉  ・蜘蛛に捕らえられ・・・空蝉(せみのから)

蝉たち(種類と鳴き声)

この地方で存在が確かめられる蝉は次のとおりです。

ハルゼミ(・松蝉 とも)
 春も終わり近く、次第に暑くなったころ、おもに松山でなきます。里の民家近くにはあまりなきません。この地方でただ一種の春の蝉です。
ニイニイゼミ(チーチー蝉)
 梅雨明け前後から、夏の蝉のいちばんはじめになきます。
ヒグラシ(・蜩・かなかな とも)
 竹やぶなど民家の近くでなきます。朝や昼間、竹やぶの下草の中に落ちていることがよくあります。どこか哀調を感じさせる声です。
アブラゼミ(油蝉)
 ジイジイとやかましいほどに啼きます。民家の庭でもなきます。
 左の写真、ほとんどアブラゼミです。2枚目、早朝に幼生の殻を脱いで、飛び立つ寸前のものです。
ミンミンゼミ
 み〜んみんみん・・と、大きく響き渡る声でなきます。ミンミンゼミが鳴くと立秋が近いことが知られます。
クマゼミ(しゅんしゅん蝉・キュウシュウエゾゼミ)
 夏の盛りから後半にかけてなきます。近年は、里におりてなくようになりました。地球温暖化と関係があるのかも知れません。この地域最大の蝉だと思います。
 同じ仲間に
アカエゾゼミ、と
エゾゼミ
 がいます。
ツクツクボーシ(法師蝉)
 名の通り「つくつくほうし」となくので、法師蝉と呼ばれます。お盆前後になき、子どもたちは楽しかったかった夏休みの終わりを感じます。

芭蕉の蝉の句(蝉の声)

 閑かさや岩にしみ入る蝉の声  *「閑かさ」しずかさ

あまりに有名な芭蕉『奥の細道』の句です。
何セミか?議論もありました。結論は、ニイニイ蝉です。
なお、俳句の蝉については、別記》こちら》へどうぞ

蝉関係の用語
 
おしゼミ セミの雌はなきません。これを差別的表現「おし」で呼んだのです。いま、あえて使うべき言葉ではないでしょう。

 
唖蝉も鳴く蝉ほどはゐるならむ   山口 青邨

 
空蝉(うつせみ) セミが地中生活から地上に出て脱いだ殻のことです。(蝉の殻)

 蝉の羽衣 
蝉の透明な羽にたとえた夏の薄く半透明な衣

 蝉時雨 
セミがいっせいに鳴く声を時雨の降る様子にたとえたものです。

 蝉の羽月 旧暦6月の別称。陽暦7月。

蝉は長い地下生活のあと、わずか7日といわれる短い地上生活をおえます。左写真のように蜘蛛にとられたり、寿命尽きて亡骸を蟻などに食われたりするのでしょう。
空蝉は多くても、死骸は余りみません。自然の摂理・食物連鎖のなかに解けていくのです。
もちろん、蝉の殻もやがて解体されますが・・。

蝉の出方(数など)はその年の気候、8年前(卵を産んだ年)、それ以降の気候の変化に大きく左右されています。(写真はいずれも2005年7月撮影)

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