せみ(蝉)2・花火・盆・夜の秋
<わたしの歳時記>
「ふるさとの小さな丘」をめぐる山郷の自然と暮らし
■せみ(2)
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▼盆、花火、秋の蝉 + 歳時記■蝉余話
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丘、晩夏 丘の下の畑、とうもろこしは収穫が終わり、刈り取られた。季節は足早に移り変わる。 盆。花火がたかれた。俳句では、盆は秋の季語。花火は、夏の季語(江戸時代には、やはり秋の季語だった)。 半生のわがこと了へぬ遠花火 三橋 鷹女 |
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秋の蝉 今年は蝉がよく鳴いた。 盆過ぎて秋めく今頃、とくに法師蝉がよく鳴く。 かなかな(蜩・ひぐらし)の数が気のせいか少なかったかもしれない。8月13日以後、つまり、盆に入った途端きっぱり鳴かなくなった。実は、13日夕刻、都会から帰省した家族に「かなかなを聞いたか?」と訊ねてたしかめた。やはり、その後、聞いていないという。 8月も後半。鳴いているのは、つくつく法師とみんみん蝉、油蝉だけになった。 ![]() つくつく法師 また微熱つくつく法師もう黙れ 石田 波郷 法師蝉は普通「つくつくほうし」と呼ぶ。 鳴き声を聞きなした名だ。また、鳴きやむ前に「とっぽじーじょ」と鳴く、と大阪住まいの家族が言う。なるほど・・。 涼しくなってから鳴くので、「寒蝉・かんぜん」とも呼ぶらしい。 形は、にいにい蝉より小さく、写真(蝉の1枚め)のように少し長細い。「虻(あぶ)みたいだ」と言う。 まったく、木の肌に紛れて遠目には見えにくい。 たとえば、2、3枚め。柿の古木に止まっているが、光りや木肌のために紛らわしく、肉眼よりカメラの方がよく見分ける。 4枚目、角度を変えてみると愛嬌のある大きな目をしている。 ![]() ↑鳴くとき、リズミカルに腹部を屈伸する。♂ 5枚目、つくつく法師の抜け殻。左のバッタはまだ小さい。油蝉の抜け殻よりずいぶん小さいし、細長い。色もすこし淡い。 よく探してみると、つくつく法師は高い木々ばかりでなく、目線より低い場所(地上2、30cm)でも鳴いている。 蝉の季節から虫の季節へ 馬追いがスイッチョ、スイッチョと鳴きはじめた。 もう、虫の季節が来る。 昆虫の世界は、ややこしいから(ヘンな言い方だが)、立ち入りし過ぎないようにしよう、といつも思う。 夏の終わりを鳴く蝉を、「名残りの蝉」と呼ぼうと思った。 邂逅や名残の蝉の遠く鳴く 近愚作 |
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夜の秋 西鶴の女みな死ぬ夜の秋 長谷川かな女 晩夏。 夜だけ秋が来たように涼しく秋めく。これを「夜の秋」という。 丘にも秋の気配がただようように感じる。風が涼しい。(左は、上の写真の約10日あと) |
+歳時記
・せみはヨーロッパでは鳴かない?
・せみを食べる!
←みんみんぜみ♂
■蝉余話■
●せみはヨーロッパでは鳴かない?
…らしい。だからニホンの映画などで蝉の声がBGで入ってるのは「わけのわからないノイズ」と思われるから、消して出すそうだ。蝉は、熱帯から亜熱帯に棲息するんだろうね。
でも、蝉の鳴かない夏は、ちょっと寂しいなあ。
●せみを食べる!
2005.9.2.TV「探偵ナイトスクープ」で、沖縄では蝉を食べる?という話題がとりあげられ、実際に、食べるところを放映した。食べた蝉は、くまぜみ(♂♀)。生け捕りにしたものの羽をとり、フライパンで炒め焼いた。味は、えび?蟹?など甲殻類に似ている、と。ちょっと残酷だが、♀の方が旨いと言う。食料が不足したら、人間はほとんど何でも食べる。戦中戦後の食糧難のころ食べたのではないだろうか。TVに出た、食べたことがある人は、60才前後の男たちだった。
焙るのは、蝉にダニなど寄生虫がいるせいでもある。
←みんみんぜみ♀