・秋雨・白花ナデシコ・オタカラコウ・ミゾソバ
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秋雨 ちょうど稲刈りの農繁期に秋雨が降り続いてしまいました。近年、気象予報が情報としての比重を増し、気象予報士はTVの報道番組のいわば3枚目ともいうほど人気をとっています。 その中で「秋雨前線」という言葉が定着したように思えます。 俳句では、秋雨を「秋の雨」、あるいは秋霖(しゅうりん)、秋微雨(あきついり)とも呼ぶ季語とされています。 コーヒ店永遠に在り秋の雨(永田耕衣) 白花の撫子 秋雨の晴れ間、最近あまり通らなかったバイパスの大きな土手に真っ白い花が見えました。近づいて見れば、ナデシコの白花です。栽培品種だろうとは思いましたが、そのきわだつ白さに唸りました。 ナデシコ(カワラナデシコ)は、いうまでもなく秋の七草の一。 撫子や旅に世渡る猿廻し(大谷句仏) 白花のツリフネソウ ツリフネソウは先のページでとり上げたばかりです。 9月半ば満開状態です。目立たない場所に白花が集まって咲いていました。近くにややピンク色の中間型かと思える花もあります。 オタカラコウ ツリフネソウが咲き乱れる谷の水場に、オタカラコウが大きな葉の中から花を立ち上げています。葉は、虫穴だらけです。花にも虫がたくさん来るのでしょう、大きなかまきりが待ち構えています。 キク科。よく似たメタカラコウが数が少ないようです。 名は、タカラコウが竜脳香(りゅうのうこう)という香があり、根茎の香りがこれにちなんでいるようです。 ミゾソバ タデ科の花では、いちばん見事な部類に入ると思いますが、やはり小さな花ですからほとんど注意を引きません。 肉眼では見えないその美しさをごらんください。 溝蕎麦(みぞ・そば)という名の通り、湿地に生え、ソバの花に似ています。 タデ科の多くが秋に花を咲かせます。 花の透明さ 花びら、とくに小さな野の花には、透明な感じのものがかなり多くある…と思います。と、こう書いて、何があったかな?と思いなおすんです。 撫子の白花は、白すぎて、陽光の中では目に突き刺さる感じでした。近づいてみると花びらに厚みを感じます。 でも、たとえば、雪に中に咲くオウレンの花なんか、透き通ることで、雪とは違う白さを見せていました。 他にも... いつか、そういうことも振り返ってみたい、などとぼんやり思っています。 |
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