・小さき動物たちU・蝸牛・空蝉・蟷螂・蜘蛛・ナナフシ
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晩夏 梅雨明け間近の山野。今年(2006)の梅雨明けは非常に遅く八月にずれこむかもしれません。 虫たちははやくも夏の終わりを告げるかのようです。 今年の夏は、多くの虫たちに会いました。大型の幼虫の類には驚かされました。毛虫には毒があったりして好きになれません。 かたつむり(蝸牛) 珍しく蝸牛(かたつむり)が、細い木の枝に巻きつくように登っていました。 最近、蝸牛を見ることが少なくなっていました。同じ種類に思えるナメクジ(蛞蝓)も少なくなりました。 他方、きくところ、近畿地方では山蛭(やまひる)が大量発生したそうです。山に入る人にたかるそうです。かの回峰行(新参)のコースも蛭がいないアスファルト道路に変更されたとか。 泉鏡花の小説に、人の血を吸うヒル(蛭)の気持ち悪い話がありました。蛭は唾液に血液が固まらないようにする成分を含むので、吸い付かれたところから出血するようです。これを利用して昔の民間治療で、血を吸わせた話があります。 この地でも、田んぼなど水中にいる蛭が大量に発生していました。*2006年夏 蝸牛は、別名・かたつぶり・ででむし・でんでん虫・まいまい、など・・・。 かたつむりつるめば肉の食ひ入るや(永田耕衣) かたつむり甲斐も信濃も雨の中(飯田龍太) 来し方を斯くもてらてら蛞蝓(阿波野青畝) *蛞蝓=なめくじり うつせみ(空蝉) 蝉の季節は晩夏から初秋。にいにい蝉、かなかな蝉(ひぐらし)、油蝉、クマゼミ、つくつくぼうし(法師蝉)…と鳴きついで、秋の蝉となります。7月末(2006)、にいにい(チイチイ)蝉にかわって、油蝉とひぐらし(蜩)がにぎやかです。 花に囲まれて羽化した殻がありました。こういうやり方もあるなあ、と感心します。 花は、ハーブの一つ、ソープワート(サボンソウ)。 空蝉の句。 空蝉のふんばって居て壊はれけり(前田普羅) 蝉の殻流れて山を離れゆく(三橋敏雄) かまきり(蟷螂・とうろう) かまきりが脱皮していました。 つい先日まで2〜3cmだったのに、もう倍以上の大きさになりました。ここまで生き延びる確率はどのくらいなのでしょうか。蟷螂(とうろう)は秋の季語。 かりかりと蟷螂蜂の顔を食む(山口誓子) *かほ=原作は旧漢字 クモ(蜘蛛) 山野を歩いていると、いろいろな蜘蛛に出会います。俳句では、蜘蛛の巣、蜘蛛の糸を夏の季語としています。 大和朝廷は、服従しない人々を土蜘蛛と蔑称しましたが、これは蜘蛛を地の霊とする考え方があったかただと言われています。 この蜘蛛は桔梗の側に網をはっていました。 蜘蛛夜々に肥えゆき月にまたがりぬ(加藤楸邨) ナナフシ あるwebページには、ナナフシの名の由来が二つあると紹介しています。それによると、 @七節=たくさんの節をもつ昆虫 A腹部が7節から構成されることから、と説明します。 ナナフシという奇妙な昆虫にも根強い人気があるようです。つかむと身をくねらせて暴れます。 ナナフシ不思議…。 ところで「飛んで火に入る夏の虫」は、まだ少なく、これから本格的に出るようで、夜の窓辺で待つ蜘蛛と青蛙はまだ大きくなれないでいます。 これらは、異常気象の影響?でしょうか。 |
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