・夏至・短夜・明易し・どくだみ(十薬)・ヤロウの花・シモツケの花・オオバコの花
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夏至・短夜・明易し 夏至(げし*2006年は6月21日)は、24節気の一つで、北半球で、昼が最も長く、夜がもっとも短い日です。 禁煙す夏至の夕べのなど永き(臼田亜浪) 短夜や乳ぜり泣く児を須可捨焉乎(竹下しづの女) *須可捨焉乎(すてっちまおか) 夏至前後の頃を「短夜」(みじかよ・たんや)、「明易し」(あけやすし)とよんで季語とします。 逆に、冬至の頃の昼の短さを「短日」(たんじつ)、「日短か」(ひみじか・ひいみじか)と言います。 なお、秋の「夜長」と、春の「日永」。こちらは、短さではなく長さを強調するのです。 明易や花鳥諷詠南無阿弥陀仏(高浜虚子) *「明易」あけやす 短夜の明けゆく水の匂いかな(久保田万太郎) どくだみ 今が盛りなのは、十薬の花(どくだみ)です。家の庭から山道の水辺まで、そこかしこに咲いています。 白い十字の花は、総苞片(そうほうへん)と呼ぶ花序を包む部分で、中央の穂が花です。 くわしくは、>>>野の花コレ[どくだみ]>>>をご参照ください。 写真のトンボは、どうやらハラビロトンボのようです。 十薬の正しき花に心触る(中村汀女) どくだみの花いきいきと風雨かな(大野林火) 毒だみや十文字白き夕まぐれ(石橋秀野) ヤロウ(ノコギリソウ) 「ヤロウ」が咲いています。鋸草。別名・アキレア、西洋ノコギリソウとも呼びます。ノコギリの歯のようにぎざぎざの葉っぱが特徴。 ハーブの一つで、かなり古くから、食用、薬草、観賞用に植栽されています。花に白、黄色もあるようです。異名、羽衣草。 花の下、のこぎり葉の写真を添えました。 鋸草すずしくなりし夕かげり(河野南畦) シモツケ シモツケ(下野)の花が咲いています。最初に下野の国で発見されたのでそれが名になったとか。「繍線花」と書き、しもつけと読むそうです。夏の花。 バラ科の落葉低木で、野生、観賞用に栽培されます。 しもつけの花の頃にはいつも旅(今井つる女) オオバコの花(一部訂正) 「車前草」と書いてオオバコ。俳句では大葉子の花が夏の季語で、単に大葉子(または「・・の実」)が秋の季語です。 オオバコ(大葉子)の葉と花茎はよく知っています [追記] …と、ここまで書いて、花と実の区別さえ覚束ないことに気がつきました。↓は実ではないか?と思ったのです。 ![]() そこで、雨上がりのオオバコを見に出ると、やはり、花は白っぽく見えます。 <・・穂状花序に白色の小花を密につける。実は、紡錘形で、横に裂け、中には数個の黒褐色の種子が入っている。> と、『本草図譜』(江戸時代1830年頃の日本最初の植物図譜・著者は岩崎潅園)のある解説本に書いてあります。 たしかに肉眼では白っぽく見えますが、写真のように接写すると、やや紫色がかっても見えます。 (写真・下から2、3枚目を追加しました。) ともかく、学問ではないので厳密さは求めないつもりですが、明らかな間違いは避けたいので追記訂正をします。私には、依然、花と実の区別はできません。[以上追記] 車前(しゃぜん) 若い葉は食用。乾燥した地上部と種子は薬用。種子外皮は水を含むと40倍にもなるので、ダイエット食品にも使われているようです。昔は、この花茎で「すもう」遊びをしました。 漢名、車前(しゃぜん)。薬用の名でもあります。 別名、おんばく・まるこば・しゃぜんそう・かえるば(蛙葉)他。 おほばこの葉の焦げてゐるキャムプかな(冨安風生) 夏山のみちをうづめてしげりける車前草ぞ踏む心たらひて 「永平寺吟」(斎藤茂吉) *車前草(おおばこ) |
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[再追記] 2006.7/2 左の写真は、山間の道で撮ったものです。この花茎は咲き初めで花が白ということがよくわかりました。 |