ねぢ花(もじずり草)

<わたしの歳時記>12

「ふるさとの小さな丘」をめぐる山郷の自然と暮らし

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2005 真夏の山野にて T


ねぢ花

左から、3本が芝草の中に、おわりに近く・・、捩れが強い、捩れが少ない
 ・・木陰に咲いて・・そのアップ。右端の拡大▲

ねじ花(捩花)

 「捩(ねじ・よじ)れる」の捩と書きます。
 いったいいい名なのかよくない名なのかもわかりませんが、ぴったりの感じが好きです。

捩り花捩りそめたるかなしさよ  吉井莫生

 この場合は「捩り花」です。

 最近の(草なぎ)剛ちゃんのTVドラマ「ネジ男?」は、機材のネジづくりを仕事にするお話でしたっけ。
 これは「螺子」ですね。
 私の場合は、つげ義春の「ネジ式」・・!の「ねじ」という1語が意識に焼きついているのです。

別名

 別名としては、もじずり(草)・文字摺草、もじばな、小町蘭があります。単に雑草と書いてある場合がありますが、蘭科の愛好者には熱烈人気があるようです。
 この「小町蘭」という名も好きです。いかにも、この小さく、目立たず、それでも可憐で美しい、短命な花にふさわしいと・・。

ねじばなの紅のひとすじあねいもうと  酒井弘司

 私ごとですが、若くして亡くなった姉が、ねじばなが大好きで、私にさがさせました。そういうこともあって、子どもの頃から思い入れの強い花の一つでした。
 2句ともいい句ですが、傑作というわけでもありません。
 ねじばなの句は質量とも少ないのです。

 姉が亡くなってのち、作った句です。

ねじ花やねじれねじれて天に立つ 愚作

一本ずつ違う面白さ

 これらはすべて同じ向きに巻いています。でも、中に逆に巻いたものがあります。また、巻き方もそれぞれです。
 白花も10%以下の確率であり、私はただ1本見たことがあります。花や動物には白変、黒変はよくある話です・・。

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秋,ねぢ花の株

 捩子花草の秋のようすです。花のあと、ひと夏かけて、葉が成長し、株がしっかりしてきました。
 この株は、植栽なので、やや肥が効いている感じです。中央に茶色く伸びている二本の花茎が残っています。
 また来年もお目にかかりたいですね。
(2005.10.12撮影)