■尾崎 放哉(おざき ほうさい)
1885(明治18)年〜1926(大正15)年。鳥取県生。
@さびしいぞ一人
放哉10句
一日物云はず蝶の影さす
こんなよい月を一人で見て寝る
底が抜けた柄杓で水を呑もうとした
すばらしい乳房だ蚊が居る
入れものが無い両手で受ける
咳をしても一人
墓のうらに廻る
枯枝ほきほき折るによし
肉がやせて来る太い骨である
春の山のうしろから煙が出だした
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さびしいぞ一人
無季自由律の俳人で、山頭火と同時代を生き、同じく荻原井泉水主宰の『層雲』に作品を発表した。
すばらしい俳句を残した。私は、無季自由律俳句として、山頭火の次ぎに放哉を知ったのだが、たちまち、放哉に強く引かれた。
放哉はたとえば「淋しいぞ一人五本のゆびを開いて見る」など、さびしさをテーマにした俳句をつくった。
そのすさまじいほどの人生については、別途書きたいと思っている。
放哉の墓をぐるぐる廻る(愚作)